みなさんこんばんは(๑>◡<๑)
しゃっちょです✨
せっかく涼しくなったと思ったのもつかの間。
いきなり真夏の暑さに戻ってしんどいですね(>人<;)
台風もダブルで発生とはなかなかヘビー。。
また異常気象が水害などを引き起こしかねませんので、みなさんくれぐれもお気をつけてください(^^)
さて、今日はE46M3 エンジンからカチカチ音の修理です✨
TECH-MほどE46M3の入庫が多いと、それぞれの車の微妙なエンジン音の差がよくわかります。
たまーに、エンジンからカチカチ音
つまりタペット音のようなものが聞こえてる車があります。
オーナー様が気づかれている場合や、そうでない場合もありますが、僕たちはすぐ気付きます。
過去に、まだ経験も少なかった時にクランクベアリングの逝った音に気づけなかったこともあり、今や敏感です。
クランクのメタルが行った時と、ヘッドでカムが鳴ってる時とでは、音のテンポが違います。
クランクシャフト1回転に対して、カムシャフトは2回転しますから、エンジン回転に合わせてカチカチか、倍の速度でカチカチカチカチかで、クランクかヘッドか判断できます。
ここに気付き、判断できれば間違うことはないですね。
さて、本日ご紹介のE46 M3は、
盛大にカチカチ鳴っておりました。
どっち?? カチカチカチカチ言ってますので、エンジン回転数の倍、つまりカムシャフト周りからの異音と判断しました。
ここでピンと来る人も多いはず。
このS54エンジンはVANOSのフィリスターボルトが弱く、破断しやすいんです。そして、破断や緩みが発生すると、カチカチ言います。ガラガラ言います。
まずコレが1つ疑われる。
そして、次に疑われるのが、タペットクリアランス。
バルブと、カムシャフトの間に、ロッカーアームというアームがあり、
そのロッカーアームとバルブの間に、直径8mmほどのシムが入っていて、このシムの厚みを調整してクリアランスを確保しています。
摩耗により、カムシャフト又はロッカーアーム、シムの厚みが薄くなり、隙間が大きくなってそこから打音が発生するケースがございます。
もちろん、最低条件である、エンジンオイルがきちんと指定されている10W-60が、規定量入っているか
なんてのは当たり前の話。チェック済みです。
では、確認していきましょう✨
ヘッドカバーを外して、TIS(BMW純正の作業指南書)に沿ってバルブクリアランスを測定していきます。
規定値内からさほど外れておらず、クリアランス自体に問題はないと判断できました。
カムシャフトのベアリングを1つづつ外して、傷等が無いか確認しましたが問題なし。
ここに傷があると、なかなか困ったことになるので、ホッとしました。
続いて、フィリスターボルトを確認します。
対策前のボルトでしたが、緩み、破断等はございません。
微妙なバルタイのズレをしっかり調整し、1度組み上げていきます。
もしかすると、ここで症状に変化が出る可能性があります。
組み上げてエンジン始動しましたが、残念ながらタペットからのカチカチ音に改善は見られず、変化なしでした。
ボルト、クリアランスシムに問題なし、カムシャフトも、ベアリングも目視で問題なしとなると、
ロッカーアームに原因があると判断できます。
ロッカーアームは、上からカムシャフトで叩かれ、下をシムで叩きます。
そして、アームの当たり面には角度がついているのですが、その角度が摩耗により変わると打音が発生する原因になります。
お客様にはそのことをお伝えし、ヘッドを外してロッカーアームを全て交換しましょうと提案、快くGOサインを出してくださいました(^^)
TECH-Mのブログなどを見ていただいてたらご存知かと思いますが、僕はこのエンジンにすこぶる思い入れが強いのであります。
みんカラでいいねランキング数日トップを取らせていただいた、
や、
に書いたように、エンジンオーバーホールで、とにかくキレイにして、新車のようなフィーリングを取り戻すことが出来ますので、オーナー様も、新車フィールを体感してみたい✨と、ヘッドのオーバーホールをご依頼いただき、早速進めさせていただきました✨
まずはヘッドを外し、各部パーツをバラしていきます。
ヘッド単体にして、汚れをしっかり落として、すぐさま乾燥させます。
乾燥機がないので、バーナーで炙って完全乾燥させます。
サビは見えないですが濡れたとたんに発生し出しますので、少しでも抑えます。
ヘッドは特に細かいオイルラインなどが多いのでキッチリやります。
今回はチューニングメニューも少し取り入れました。
ポートのバリを研磨し、0.1mm ボアを広げています。
新車のエンジンフィールとサウンドを体感したい‼️との事でしたので、カーボンはしっかり落としました。こうする事で、圧縮比こそ下がりますが、エンジン特有の弾けるサウンドを奏でてくれますよ✨
バルブは曲がりをチェックし、もちろん鏡面仕上げ♫
バルブのすり合わせは時間をかけて丁寧に行なっていきます。
カーボンによるダメージを受けたバルブの傘もしっかり密着するようにすり合わせします。
とっても大切な作業です。
バルブやスプリングを組み上げ、新品のロッカーアームを組み込んでいきます。
もともとのロッカーアームと、ピークポイントの厚みにはそこまで摩耗はなかったですが、シムと当たり面の角度に摩耗が見られていました。
特に4番当たりの摩耗がひどく、ここら辺が打音と原因と思われます。
やはり原因はロッカーアームでしょう。
ロッカーアームを組み付けると、
ヘッドを浮かした状態にして、カムシャフトを取り付けます。
そして、カムシャフトを回してここでクリアランスを測定
何十種類もあるシムから、規定値になるようにシムを選択し、インテーク、エキゾースト共に規定値の真ん中に調整致しました✨
少しクリアランスを小さくするとバルブのリフト量が増えるのですが、今回は規定値です。
ヘッドの組み上げは、エンジンオイルにREWITECを高濃度で配合し、ベアリングには、REVITECを直接塗って仕上げていきました✨
全ては最高のエンジンになるように心を込めて(๑>◡<๑)
ヘッド全ての準備は整いました✨
続いてエンジン本体のピストンヘッドをキレイにしていきます。
こちらも、12万キロ以上走った個体ですので、かなり厚めにカーボンが付着しています。
取るのは圧縮比が下がるからもったいないですが、新車のキンキンなサウンドを奏でるためにはしっかりキレイにいたします✨
数日かけてコツコツキレイにしたヘッドはここまで蘇ります✨
あとはキレイになったヘッドを組み上げていきます。
ベアリングや、スプロケの組み上げにはしっかりREWITECを塗り込みます✨
カムシャフト、VANOSと組み上げていき、クランクシャフトを回しながらやっていきますが、エンジンの回りの軽さがここで感じれます✨
軽く回るエンジンを想像するだけでウキウキします♫
丁寧に組み上げ、まずは燃料噴射を止めて、クランキングだけしてエンジンを回転させます。
エンジンオイルを隅々まで行き渡らせる大切な行程です。
いきなりエンジンをかけてしまうと、オイルが回っていない場所ができて、エンジンに傷が入ってしまいます。
そして緊張の初爆‼️‼️
といきたかったところで、なんとも、スターターが壊れてエンジンがかからなくなりました笑笑
スターターを叩きながらやっとかかりましたが、とっても美しいキンキンのサウンド‼️
そして、全くカチカチ言わない調律の取れたエンジンのメカニカルノイズは、本当に心地のいい音でした(๑>◡<๑)
異音、バッチリ治ってました♫????
エンジン内部をキレイにしたからといって気は抜けません‼️
外周りもしっかりスチーム洗浄し、内外ともに美しく仕上げます✨
アンダーカバーも忘れずに。
もぅ何度もこの新車以上のフィーリングは体感していますが、今回はポート研磨によるレスポンスとアップがすごくて、意外なほどよく回ってくれる気持ちのいいエンジンになりました(๑>◡<๑)
納車前にお客様を何度かお越しいただいて、エンジン内部を確認したり、組み上げ前のヘッドをみてもらったり、そして、組み上げたM3に少し乗ってもらいましたが、終始感動しっぱなしで、こんないい音聞いた事ない!レスポンスも伸びもベツモン!!とお褒めの言葉をいただきました(๑>◡<๑)
あとはセルモーターを、さくっと交換してご納車です(^^)
長いブログになりましたが、まだまだ書き足りません笑笑
それくらい意味のある重要な作業です(๑>◡<๑)
またこれからS54のオーバーホールが控えてますので、喜んでもらえるように頑張りまーす♫????
ありがとうございました♫